ユーザーレポート

ホルナビを搭載したSK350LC-9が、
パワフルに河底を掘削していく

2018.04.02 公開 01
3Dデータを基盤に
「設計~施工~検査」を貫く
円滑な情報施工の流れを創出
ホルナビ3Dマシンガイダンス
搭載SK350LC-9/SK235SR -3

一歩先の土木造成業へ「ホルナビ」を導入

マルフジ後藤重建は、1971年、代表の後藤義隆さんが23歳で創業。コベルコとの関係は、83年にYS1200を導入してから30年以上続いている。ボーマク社製の転圧ローラ機やダンプカーなども多数保有しているが、11台ある油圧ショベルはすべてコベルコ製だ。
同社では今回、ホルナビ3Dマシンガイダンス(以下、ホルナビ)を搭載したSK350LC-9とSK235SR-3を現場に投入した。

代表 後藤義隆さん
「4~5年先の業界変革を見据え、来るべき時代を先取りするための投資として英断しました。設計の上流段階から施工、管理に至る一連の流れのなかで、同一の3Dデータを持ち回ることによって精度と効率、スピードアップの三位一体の実現を目指しています」

河床は掘削した先から埋まっていくので、作業後に最適値になるよう指示値よりやや深めに掘る。そのため、画面上は赤色表示となるが、その加減がベテランの技だという

ホルナビ搭載機種では、後方に設置したアンテナで衛星情報を受信している

石原隆寛さん
(マルフジ後藤重建・オペレータ)
「ホルナビは図面に基づくガイダンスに沿って作業するので、若手や女性の活躍にも貢献できると思います」
長濱和利さん
(マルフジ後藤重建・オペレータ)
「ホルナビを初めて活用しましたが、丁張りなどを気にすることなく、安全と正確性の両立が実現しました」
岩田雅和さん
(石川建設・現場所長)
「今回の施工でICT活用の先鞭が切れたと自負しています」

ICTの活用で作業効率が大幅に向上

ホルナビ搭載機の目下の活用現場は、静岡県袋井市と磐田市の境界付近。県西部を流れる太田川と原野谷川の合流地点の「二級河川太田川広域河川改修事業」だ。これは、地震による津波や大雨等による洪水被害への備えとして、三角州状に堆積した太田川の土砂を掘削し、河道を築くものである。
川底は目視できないうえに、干満潮時の水位差が1.5~1.8mに達するため満潮時には作業ができない。そんななかで、水を含んだ柔らかい河床を相手にする河道掘削には、独特の難しさがある。さらに、従来は目安杭や丁張りなども人が水に入って設置する必要があり、それらが現場の安全確保や工期におよぼす影響も少なくなかった。同社の統括・夏目勝さんは、今回のホルナビ導入における効果をこう語る。
「3Dデータの活用により、XYZ軸上の正確な位置や深さなどが示され、事前の丁張りも不要に。作業効率は1.5倍以上アップしたと感じています」

ホルナビ搭載機をはじめ、多くのコベルコ機の活躍により河道切削工事をスピーディに実行することができた

自慢の技術力とICTで次代の施工文化を創造

統括 夏目 勝さん

この現場の当初の掘削量は、8000㎥の予定だったが、ドローンなどによる詳細調査の結果、2・5倍の2万㎥の工事となることが判明した。一方、大型連休を挟む40日間という工期は至上命令。後藤さんは、そんな厳しい条件下でも、“やれます”と即答したという。
「設計の掘削指示を3Dでナビゲーションする『ホルナビ』は、現場を熟知し水深の変化などにも臨機応変に対応しながら、常に最終的な出来形をイメージできる技術者が使ってこそ、本来の力を発揮するのです。だからこそ、“私たちならできる”と確信しました」(後藤さん)
また各自が仕事に誇りをもち、機械を大切にする気持ちを育むために、以前から各マシンをオペレータ一人ひとりに紐付けした「1人1台体制」を徹底。ただ、「ICTは優れた技術者が活用してこそ意義がある」という考えから、ホルナビ搭載機はベテランの活用を中心とした共同利用を図っている。
「実は3Dナビゲーションによる掘削は、『将来を見据えて、ともに情報化施工を進めましょう』と私たちから元請け会社に逆提案したのです」(夏目さん)

提案を受けた石川建設株式会社の現場所長・岩田雅和さんは、その経緯をこう振り返る。
「提案により、私たちも上流の設計工程から3D化を推進。施工後の出来高検査も3D計測を用いるプロセスへ変更を進め、本工事をICT活用のモデルケースにすることを決定しました」
その結果、40日間の短い工期予定をさらに数日前倒しして施工完了できたという。
「この成果を基盤に、情報化施工を次の防潮堤工事でも積極的に活用し、技術力とICTを融合させた新しい施工文化を築いていきます。また、そのなかで技術を継承する若手の採用などを含めた陣容拡大を続けていきたいですね」(後藤さん)
「ホルナビ」導入を機に、新たな意欲を燃やしている。

USER’S PROFILE

マルフジ後藤重建
  • 静岡県掛川市大池128-1
  • 0537-24-4510
  • 創業:1971年
  • 事業内容:機械土木造成業
  • 従業員数:20名

静岡県掛川市に本拠を置くマルフジ後藤重建。同社では将来を見据えた視点から、コベルコの「ホルナビ3Dマシンガイダンス」を搭載したSK350LC-9とSK235SR-3を導入した。情報化施工を追い風に、従来から定評のある高い技術力、それを基盤とした施工精度の高さとスピードの向上をさらに加速させている。