コベルコ建機グループの働き方改革

豊かで充実した生き方・働き方を追求 「ワークスタイル変革」

2016年、個人の幸せと企業力の向上を実現し、魅力ある会社であり続けることを目指したプロジェクト「ワークスタイル変革」の取り組みをスタートさせました。

コベルコ建機(株)取締役常務執行役員 企画本部長細見浩之

「効率よく働いて生産性をアップさせるためでもありますが、社員にとって仕事もプライベートも充実した快適なものであってほしいという願いがあります。心の余裕や豊かな気持ちが、個人はもちろん会社や社会にも良い影響を与え、好循環を生むと思っています」と実施責任者の細見浩之は語ります。

最初に着手したのは会議の改革でした。漫然とした会議をなくし、確実な成果を得られるようルールを整えました。「会議は時間を決め、必ず結論を出します。議事録をその場で仕上げるということも徹底しました」。そのほか平行して進めたのが、業務時間の限定と、メールのルール制定・実施。これらを3本の柱として、業務の合理化と労働時間の短縮を目指しました。

2018年からは、更に「業務改革」として、業務量20%減を目標に、全従業員(製造除く)の1年間の業務を可視化し、それぞれの業務に対し廃止・簡素化・自動化等ができないかの検討を行いました。これは労働時間の削減だけでなく、創出された時間をあるべき姿になるための時間に充てる、また自動化することによる人的ミスをなくす、属人化された業務の標準化を図る等、企業力の向上のためにも実施しました。

まだ活動の途中ではありますが、休日勤務は明らかに減り、終業時間も早くなりました。

年次有給休暇を一人15日以上取得することを目標にした活動「ミニマム15」も年々平均取得日数は向上しており、2019年度は17日以上となっています。「習い事や趣味などの時間が増え、休暇も各自のライフスタイルに合ったタイミングで取っていると感じます。新しい働き方が浸透してきているのではないでしょうか」と手ごたえを感じています。

有名無実化しやすい働き方改革が、コベルコ建機で成功している理由、それは「ひとつは、会社が本気だということでしょう。トップ自らがことあるごとに“働き方を見直せ”と連呼する会社は少ないと思います。

さらにもうひとつ。朝礼や通達だけでは表面的な働きかけになって浸透しないので、個々に都度、話し合っていきました」。ヒアリングマラソンと銘打ち、全部署ライン長に実際に話を聞き、一人ひとりが抱える課題に丁寧な対応を重ねて、慣習や遠慮を取り除き、業務内容を精査し改善を繰り返しました。

「今後は家族はもちろん地域との関わりも増えていくと思います。仕事以外での活動を通じて視野を広げ、社会や地域への興味関心を深めて社員と会社、そして地域が一緒に成長していくことは、コベルコ建機が目指す理想の姿」と細見は期待を寄せています。コベルコ建機はこれからも、より良い社会の構築に向けて進化を続けてまいります。

「ワークスタイル変革」の目指す姿

コベルコ建機グループは、「社員の幸せ度アップ」と「企業力の向上」を実現し、【魅力ある会社】であり続けます。
それらの実現のため、「社員一人ひとりの業務効率化」と「働きやすい職場環境の整備」を徹底して推進します。

1. 社員の幸せ度アップ

  1. ① 社員が有効活用できるプライベートの時間を最大限確保すること。
  2. ② 気持ちよくやりがいをもって業務に取組める職場環境を実現すること、を通じて心と体の健康を実感できるようになること。

2. 企業力の向上

  1. ① 業務の「質」を向上させること、創造的・高付加価値業務に多くの時間を割くこと。
  2. ② 多様化する「働き方」にフレキシブルに対応した制度/風土が定着していること、により企業としての「力」が高まっていること。

「ワークスタイル変革」の取り組み事項

業務拘束時間の限定
19時以降の残業や、休日業務を原則禁止。フレックスタイムを活用した朝型勤務へのシフトを推奨。「退社宣言カード」を全員が机に提示し、周囲へ退社時間をあらかじめ知らせることで仕事の段取りをつけやすくした。
KOBELCO流会議
会議は「話し合い」と「結論」の場とする。会議の時間割を決め、必要最小限の人数で開催。報告や、資料の配布は事前に済ませる。議事録は会議中に作成し、会議終了時に配布する(結論の確認を含む)。
KOBELCO流メール
「内容が一目で分かる件名をつける」「むやみにCCで送らない」「結論から書き、要件を簡潔にまとめる」などのガイドを作成。メールの処理に時間を取られないように工夫した。
ヒアリングマラソン
全部署を104グループに分け、社員一人ずつの業務内容と課題を抽出。業務改善への対策や、阻害要因除去の参考とした。部署平均値での成果を求めるのではなく、取り残される社員が生まれないよう個別にサポートした。
業務改革プロジェクト
業務量20%減を目標に、全従業員(製造除く)の1年間の業務を可視化し、それぞれの業務に対し廃止・簡素化・自動化等ができないかを検討。労働時間の削減だけでなく、企業力の向上のためにも実施した。
変革人AWARD
業務改革の活動、成果を表彰するもの。業務改革の意識の浸透、業務効率化・生産性向上に向けた成果創出を目的に実施、活動の全社への共有(展開)も積極的に行っている。
テレワーク
場所にとらわれない働き方をすることによる生産性の向上や個人の時間の充実を目的に2020年1月から順次導入。コミュニケーションが希薄にならないよう、WEB上でのコミュニケーションツールの充実も図った。
退社時間宣言カード
退社時間のカードを掲げ、周囲に退社時間を知らせるもの。時間意識の深化による業務効率化、社員協働意識の強化、コミュニケーションの活性化を目的に2017年から運用を開始した。
カジュアルデー
社員一人ひとりが柔軟な発想を生み出せる環境を作ることを目的に、毎週水曜日をカジュアルデーとし、オフィスカジュアルでの出勤を可とした。

コベルコ建機(株)
企画本部 企画管理部 経営企画グループ
マネージャー
M.O

家族と過ごす時間が増えて充実を実感する毎日

残業事前申請制度などの取り組みにより、時間意識がかなり強くなりました。自分を含め、職場全体にとって効率的な時間の使い方を工夫しています。
帰宅が早くなり、家族団らんの時間が増えました。家事の手伝いもするので妻にも喜ばれています。早寝早起きに変化していて、心身ともにリフレッシュできる機会が増えた気がします。

コベルコ建機(株)
法務・監査部 コンプライアンス統括グループ
マネージャー
Y.Y

会社員なのを疑われるくらい上手に時間を使いたい

フレックスタイムを活用しやすくなるなど、柔軟な働き方ができるようになりました。会議も合理的で実のある内容に変わったと感じます。
増えた時間はランニングや野球観戦、資格取得など、趣味やスキルアップに使っています。人からうらやましがられますが、次の目標は、毎日定時退社して「本当に働いているのか?」と言われることですね(笑)。