Kobelco Construction Machinery Co., Ltd.

誇り高きプロジェクト、ヒューストン・シップ・チャネル・ブリッジ

取材
20193

クレーンと働く人

老舗本格基礎工事会社A.H.BECK FOUNDATIONで総監督を務めるDavid Stroupさんが、
プロジェクトへの思いやコベルコのクレーンを選ぶ理由を話してくれました。

David Stroupさん
1996年、A.H.BECK FOUNDATION入社。現在、総監督 (General Superintendent)。

誇り高きプロジェクト、ヒューストン・シップ・チャネル・ブリッジ

悠然と流れる大きな運河沿いに2台、コベルコのクレーンを発見した。黄色い機体に貼られた赤いステッカーには、A.H.BECK FOUNDATIONという文字。この会社こそ、今回の主役である老舗本格基礎工事会社A.H.BECK FOUNDATION。創業は遡ること1932年、創業者August Henry1世は、橋梁等の建設で地盤に基礎を埋設するための掘削シャフトを埋め込む工事の草分けの一人だそう。広いアメリカの中でも高難易度と言われる南部を中心に、本格基礎、地盤改良および土留めの請負業社(Specialty deep foundation, ground improvement and earth retention contractor)として工事を手がけるスペシャリスト集団である。
David Stroupさんは総監督。お仕事の内容を教えてください。

「この工事は、ヒューストン・シップ・チャネル・ブリッジプロジェクトというヒューストンの一大プロジェクトです。私たちは、基礎工事を受注。現在、巨大な穴を掘削しているところです。私はここで、プロジェクトの進捗確認や工事に使用する様々な装置の手配をしています。契約に基づいて、確実に工事作業を進捗できるよう手配を行う役目です。」

このプロジェクトの公式サイトによれば、2024年に上下線開通、10億ドル規模のプロジェクトとある。基礎工事完了はどれくらいかかるのだろう…。今はどのような状況の工事が行われているのですか?

完成イメージ

「新しくできる橋は斜張橋で、北側と南側それぞれに2つの主塔を建てるのですが、その基礎工事を行っています。また、新橋への仮道路(Approach)の基礎工事も担当しています。交通の要所ですから、通行止めにせず仮橋を建設して古い橋を解体、そして新しい橋を架けるという手順になります。クレーンの稼働は2018年6月、地盤掘削を開始したのは8月中旬のことでした。少なく見積もっても1年半は完了するまでにかかるでしょうね。」

A.H.BECK FOUNDATIONがこの大プロジェクトを受注できた要因のひとつは、なんと言っても抜きん出た経験値の高さだろう。いくつもの困難な地盤工事を乗り越えてきたという実績が、絶対的な信頼を勝ち取っている。
日頃から特殊作業も多いそうで、社員教育には力を注いでいるそう。

「これほど大きな掘削作業を伴うため、NCCCO(National Commission for the Certification of Crane Operators: アメリカのクレーン運転士資格)さえ持っていればいいという訳にはいきません。当社のスタッフは、非常に長時間の訓練を行っています。作業に対する準備を整え、誤操作をなくすことが何より大切です。装置の使用法や地盤への掘削シャフトの正しい埋め込みを日常的に徹底教育しています。一見、地味で退屈な作業に思うかもしれませんが、長い目で見れば、実に有用な訓練だと考えています。」

A.H.BECK FOUNDATIONは一日にして成らず。
こうした地道な鍛錬が、誇り高い大プロジェクトに携わる喜びへと繋がっていく。