Kobelco Construction Machinery Co., Ltd.

プロフェッショナル、内宮運輸機工

取材
201312

クレーンと働く人

SL-13000という巨大なクレーンを操縦するクレーンオペレーターさんに
日頃のお仕事についてお話を聞きました。

内宮運輸機工株式会社 専務取締役 内宮俊行さん 内宮俊行さん
内宮運輸機工
専務取締役

プロフェッショナル、内宮運輸機工

今回プロフェッショナルの話を聞くために訪ねたのは、千葉県に機械センターを構える、内宮運輸機工株式会社(以下内宮運輸機工)。昭和28年に設立し、昨年創立60周年を迎えた。従業員320名を超える業界トップクラスの会社だ。国産最大級のクレーン「コベルコSL-13000」を含め、クローラ69台、オールテレーンクレーン25台、二軸のラフテレーンクレーンが69台など合計163台のクレーンを所有している。クレーンの他にもたくさんの運搬車両を保有しており、工事の大型化が進むのに合わせて大型のユニットキャリアなども保有し、時代の変化に対応しているのだ。専務取締役の内宮俊行さんにお話を聞いた。

内宮運輸機工について説明する内宮専務

内宮運輸機工のコンセプトは「重機・運輸・工事」。もともと荷馬車を主力とした陸上の運輸を生業にしていた。本社の前にある馬頭観音の碑はその名残。終戦後、移動式クレーンをいち早く導入して重量物の輸送据え付けが可能になった。昭和30年代になると、運搬だけの業務から荷物を下ろして、据え付けてというところまで手がけるように。専門的な重機業者のパイオニアと呼ばれる所以だ。

「先代の社長は、“これからは絶対クレーンの時代になる”と強い信念を持ち、クレーンの導入に力を入れてきました。会社の成長とともに、特殊な構造物の施工や複雑化している土木工事、大規模橋梁の仮設撤去など大きなプロジェクトに携わる機会を頂くようになって。いまでは国外のプロジェクトも多いですね」

各種重機が綺麗に管理されている千葉県に機械センターを構える内宮運輸機工株式会社
各種重機が綺麗に管理されている

内宮運輸機工がパイオニアと呼ばれ、同業他社からも尊敬される会社であるのにはさらに理由がある。例えば、徹底した整理整頓。内宮運輸機工の機材置き場には、美しく整頓された重機たちがずらりと並ぶ。圧巻の光景だ。

「重機を丁寧に扱うことは、もう習慣になっています。先代社長から、散らかっているところには事故も起こりやすいと教えこまれました。片付いているということは、心の中も整理されているということですから」

忙しい現場で整理整頓を行うのはたやすいことではないが、どのようなモチベーションで行っているのだろうか。

「重機には一台一台番号を付けて、社員それぞれの所有物として使ってもらっています。そうすると、重機を綺麗に、大事に乗るようになります。機械を大事にしていると、危ない時に機械が助けてくれます。いい加減な扱いをしていると、薄情なようですが、助けてくれない。それは当たり前のことです」

綺麗に清掃され、管理されている重機たち綺麗に清掃され、管理されている重機たち

そして、内宮運輸機工は人材育成にも力を入れている。若い人材を育てることが社会貢献につながる、という視点も持っているからだ。

「現場で作業する人間にとっても、これからはコミュニケーションが大事になる時代です。人材に求められる能力は、自分が何をしなければならないかを把握して、しっかりお客様と打ち合わせができ、作業内容の確認ができること。それが現場の安全性の確保に繋がるからです」

現場での安全性。それは内宮運輸機工が最も大切にしていることであり、そのためにコミュニケーション能力を重視した人材育成をしているという。

「わたしたちは、ひとつ間違えると大きな事故が発生するような大きなものを扱っています。安全な現場は、良いコミュニケーションから生まれると考えています。現場の作業はみんなが一緒にやるものですから。でも時には、たくさんの会社が関わっているプロジェクトなど、コミュニケーションが取りにくい場合もあります。そんな中でもうまく段取りをして、良い現場にしていくこと。そういった能力が安全性に繋がっていくんです」

そして、頑張ってくれた社員たちには安定した待遇で応えること。クライアントとも、社員とも、良い関係性を作り出していくのが、内宮運輸機工の基本となっている。