Kobelco Construction Machinery Co., Ltd.

「東松島市復興まちづくり計画」とは?

取材
201312

クレーンのある風景

SL-13000は宮城県東松島市の地域復興事業へ参加しました。
その内容について詳しくご説明します。

「東松島市復興まちづくり計画」とは?

ベルトコンベヤ建造中のSL-13000ベルトコンベヤ建造中のSL-13000

「東松島市復興まちづくり計画」では、野蒜北部丘陵地区や東矢本駅北地区などにおいて津波被害を受けた区域からの集団移転先を内陸側の高台、埋め立て地に整備する計画が実行されている。野蒜地区は、海岸部に近接した平坦な土地で、津波により人的にも建造部にも著しい被害を受けたところ。海岸保全施設の大規模な補強を前提にしても、将来大津波に対する人的被害を防ぐことは極めて困難だと見られている。
地区内には小さな丘陵地があるものの、東名運河以南地域の全域をカバーする避難場所としては小さすぎ、地域コミュニティを維持する観点からも、住民の地区外への集団的な移転を推進しているのだ。もちろん漁業を生業としている人たちなど、土地に残る選択をしなくてはならないひとたちに対する配慮は手厚く行う。住民意向を尊重しながら、住宅地の集約と内陸堤防、排水対策や避難施設等の整備を計画的に推進していくという。

集団移転先の埋め立て地区の東矢本駅北地区集団移転先の埋め立て地区の東矢本駅北地区

移転する施行地区面積は約91.5ha、移転するのは約448戸、約1,370人という大規模なものだ。まちなみ景観や環境に配慮し、生活支援施設を備えた新しい市街地を、JR仙石線を中心にコンパクトに整備するという。
この計画は、各地域で行われた「地区懇談会」や「復興まちづくり懇談会」における市民の意向、「復興まちづくり計画有識者委員会」における専門的な立場からの助言、提言など、たくさんの英知を結集して策定されたものである。より安全な高台もしくは西側内陸部への集団移転を進めることで、将来にわたって安全に住むことのできる住宅地の整備を実現することが目的だ。そして、悲願であるのがJR仙石線で最も被害が著しい野蒜地区の路線の復旧。ライフラインである鉄道の一日でも早い全線開通は被災者、沿線住民の願いである。

移転する先は、東松島市の南西、特別名勝「松島」が指定されている背後にある太平洋も眺望できる丘陵地。ここに安全で快適な市街地を整備し、被災した住宅、公共公益施設、JR仙石線の早期移転を図っている。

※参考: 東松島市復興まちづくり計画