取材
2016年5月
クレーンと働く人
クレーンを知り尽くしている株式会社ミックの専務取締役、常務取締役、
SL16000J-Hのオペレータが、その思いやポリシーを話してくれました。
井口享一さん
株式会社ミック
専務取締役
工事本部長
三橋菊男さん
株式会社ミック
常務取締役
整備工場長
「大型クレーンのミック」として
RED×YELLOW×BLUE×GREEN。カラフルな「ミックカラー」は、夜空にもとても良く映え、まるでそこだけ遊園地のような雰囲気を醸し出していた。「小さな子供たちが喜んでくれるので、代表取締役(大山永吉さん)も喜んでいるんですよ」と常務の三橋さんが格好を崩す。これらの色にはそれぞれに込めた思いがあるという。REDには親しみと堅実、YELLOWにはロマンと思いやり、BLUEには若々しさと成長、そしてGREENには冷静と安全である。
ミックが、カラフルな車体の、その清掃にも力を入れていることは現場では有名である。しかし、建設現場では汚れるに決まっているのになぜ?と疑問に思う。
「クレーンをウエスできれいにしているのには、理由があるんです。大事に接し、触ることで、機械の調子をより把握することができるからです。実際、クレーンをきれいにしている人ほど、僅かな違和感に気付き、トラブルを未然に回避してくれるのですよ」三橋さんと専務の井口さんがうなずきあう。
コベルコのSL16000J-Hは、SL13000の後継となる国内最大級のクローラクレーンである。大型のクレーンであれば海外勢、いわゆる「外車」もあるなかで、なぜSL16000J-Hなのか?井口さんが教えてくれた。
「外車にはこれより大きい機械はありますが、日本ならではの細かい配慮があるんです。例えば、輸送性。国内の輸送規制にあわせた設計がなされています。また、開発段階からコベルコさんに現場の声をフィードバックしていました。こちらからの要望を反映していただき、いろいろなバリエーションをつけてもらいました」
愛知県を拠点とし、土木・建築・橋梁、プラントなどの大きなプロジェクトで実績を重ねてきたミックは、いつしか国内で「大型クレーンのミック」と呼ばれるようになった。
「大型のクレーンで吊ることにより、時間を短くできるんです。そして安全性ですね。需要も増えていまして、以前はやらせてもらえなかったケースでも、いまは逆にクレーンで、と言われます」と三橋さん。「工事会社としてはまだまだ上がいます。ですが、クレーンの分野では一番になりたい。クレーンだったらミックに任せれば安心だ、そう思われるようがんばってきました」と井口さん。
最後に、ミックが一番大切にしていることは?と質問した。おふたりが顔を見あわせた(取材中、目で語りあい、何かを確認しあう場面が何度かあった。さまざまな難局をおふたりで乗り越えてきたのであろう)。やがて三橋さんが口を開く。
「お客さまに迷惑をかけないこと。安全第一。信頼感」