ものづくりの最前線
製品としてカタチになる
責任と手ごたえ
最終製品を扱うおもしろさと責任

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川田メーカーがメーカーたる根幹の生産部門ですが、製造そのものを担うのはもちろん、生産本部としてはどういった機能を担うのでしょうか。役割や魅力をどうお考えですか?

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秋山究極の役割はただ一つ。「つくる」ということそのものはもちろんだけど、どうやってつくるかを考えるところだね。「安全に」「品質のいいものを」「コストを抑えて」「納期内に」、毎日つくり続けること。「毎日」が重要で、これが唯一無二の使命だよね。なにが起きようともできた製品が全てだから、言い訳無用で結果を出すところ。製品をつくるメーカーだからね。ものづくりの最前線。もっとも重要な部署だと思ってます。

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齋藤メーカーの仕事というのは、方向性を決めて、設計して、材料を集めて、製品をつくるという工程になるわけだけど、いろいろな人の能力を結集して、最後にカタチにするのが生産の部分。やっぱり自分の仕事の成果がカタチになって目に見えるのは魅力的だよね。
製品を製造するのはもちろん、製造するための工場そのものも、私たちが計画してつくるからね。

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瀧川お客さまが求めるものを、求めるようにつくる、というのが役目だね。最終製品として仕上げていくところ。エンジニアが一番手ごたえを感じるところじゃないかな。あとは、マザー工場としての機能。国内・海外を問わず、工場をつくるときは、我われの力が必要になるよ。

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齋藤近年は、工場もユーザーに見せるものとしてつくっている。見学に来てもらって、「いいね」と言われるように、見せることを意識したつくりにしている。

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川田工場は最高の営業マンとも言われます。お客さまに製造現場を見てもらって、マインドや姿勢を感じてもらう場所ですよね。「魅せる工場」をつくることも大切な仕事だと思っています。

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瀧川いまでは、工場もコベルコ建機の顔になっているね。五日市工場は毎日、だれかが見学に来ているよ。見学に来た人が「ここでつくってるなら買う」と言ってくれることもある。「工場で品質をアピールする」ということだね。それらが全部、私たちの肩にかかっている。

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秋山とにもかくにも、ものづくりの最前線。全てに責任を持つ、ということ。責任は重いけど、やりがいはあるよ。

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川田コベルコ建機の魅力や、他メーカーとの違いはどういうところにありますか?

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齋藤ショベルもクレーンも、技術の中心が日本にある。これは素晴らしいよね。
コベルコ建機は国内4か所の生産拠点をマザー工場としているわけだけど、マザー工場はユーザーに向けて製品をつくることだけでなく、海外の工場で製品をつくるときのモデル工場としての機能を求められている。日本の生産技術を海外の工場に移植させるという役目だね。技術も含めて、より現場に近いところで、SQCD(安全・品質・コスト・納期)を達成させる。だから、海外に行く機会も多いよ。

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秋山グローバル志向の人にとっては、うちの会社はとてもいいと思う。若いうちからどんどん海外に行けるからね。英語ができないと言って心配する若い社員もいるけど、エンジニアにとっての公用語は図面だから(笑)。図面が読めて、つくり方がわかっていたら大丈夫(笑)。

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齋藤建機市場は、国内では成熟市場と言われているけど、海外は新興国などこれから市場が拡大するから期待が持てるよ。日本でも、一般土木から解体へ変化はするものの、需要はしっかりある。多少の浮き沈みはあっても、上昇する業界だよ。

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瀧川市場は広がってるね。この20年間、次々に工場が立ち上がってる。これから、販売エリアの拡大に伴って、生産工場はもっと増えて行くと思うよ。そのたびに我われが関わるんだからね。家族一緒に海外赴任したこともあるけど、異文化に触れて視野が広がっていいよ。

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川田そうですね。今後、短期間の技術支援から長期間の駐在勤務まで海外で働けるチャンスがあると思っています。

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齋藤働く人にとって、うちのいいところは、海外赴任はもちろん、大きな仕事を任せられるところ。若いうちから責任ある経験や大きな仕事を、だれでも、本人次第でできるからね。

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川田それは心底感じています。私も先日、1億円の仕事を任せられて発注したところです。ドキドキしましたが、ミスがないよう周囲に相談したり、裏付けを取ったりする業務を通じて、成長を感じました。
日本で鍛えた製品・技術を世界に移植

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秋山意見も言いやすい環境だと思う。上下関係がないわけじゃないけど、それに縛られて、思うことが言えないとか、意思表示ができないとかいうのはないよね。

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瀧川ないね。上司も役職名じゃなくて、「さん」づけ(笑)。

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川田フランクな雰囲気だと思います。風通しがいいというか。相談もしやすいですし、意見や自分の意思表示もしやすいです。

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瀧川たとえ間違ってたとしても、前向きな発言がとがめられることはないからね。縄張りみたいなものもなく、上意下達でもなく、互いに意見を言い合えるのはコベルコ建機のいいところだと思う。そうやって部署や年齢を超えてコミュニケーションを取って、製品も工場もブラッシュアップさせてきた。意思のある人にはとても働きがいある職場だと思う。
先進技術と人の技を育て、融合させる

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川田今後のビジョンを聞かせてください。

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秋山ものづくりにおける自動化技術には力を入れている。先進技術は重要だ。そして、若い人のアイデアもどんどん採用して、失敗してもいいからどんどんチャンレンジさせるよ。

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瀧川そうそう。スマートファクトリーは必要。でも同時に、その反対側も必要なんだよ。一時期、ものづくりの標準化として、だれでも同じようにできることを日本が目指してたこともあるけど、そのためには裏で支えるすごい技術を持った人が必要なわけです。そういう技術・技能が評価されるような会社じゃないといけない。

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齋藤自動化、標準化、IoT、スマートファクトリー。どれも要る。そして、図面がどんどん難しくなっていってるわけだけど、それを具現化する人が要る。そうするとやっぱり「匠」も必要なんだよ。どんなにIT化が進んでも、人の技術があって初めて標準化できるんだ。

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川田コベルコ建機に、匠の技術を育てるような仕組みはありますか?

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齋藤技術伝承や育成の仕組みとして、シニアと20代が一緒に作業をしているよ。それに、これからはクレーンとショベルの人材交流や技術の活用も進めていくよ。

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秋山身近なことでいえば、大垣工場では女性も働きやすい生産ラインに変えていってる。コベルコ建機の製造現場はもはや3Kではないよ。ユーザーだけでなく、働く人にも「工場」をアピールしていきたい。

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齋藤大久保工場も同じく。きれいに快適に変えていっているよ。

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川田どんどん快適で、やりがいのある職場になっていきそうです。その分、責任もあるわけですが、やる気が増してきました。