チャレンジングな発想の
独自技術でお客さまや
社会のニーズに応える

岩満 裕明
開発本部 本部長 (兼)
GEC副センター長
井本 建
GEC 生産設計部
上部旋回体開発グループ
※部署名・役職は取材当時のものです。

強い連携で
スピーディーに市場に対応

井本私たちが所属する開発本部の役割をまずお聞きしたいです。
岩満新しい機械を開発する部署なわけだけど、「お客さまの仕事を、もっと楽に、もっと便利にすること」を目指して、いろいろな側面から研究・開発・設計をするところだね。
井本開発本部があるGECとはどういったものですか?GECの中には、生産技術や部品調達の関連部門もありますが、そもそも組織図を現状のようにした意図はどのようなところにあるのでしょうか?
岩満GECは、他社にはないユニークな組織で、2012年にスタートしたんだ。日本の市場は成熟したといわれて、海外に力を入れようとしていたときで。営業拠点に続き、工場も現地につくろうとしていた。じゃあエンジニアリング(開発・設計)はどうする?ということを改めて考えた結果、コアの部分は一ヶ所に全部集めて日本国内に置いて、そこを中心にコントロールすることにした。開発をはじめ、設計・生産技術・SCM(調達)が、互いにできるだけ連携がしやすいような組織にして、国内に置くわけ。コアな部分を縦割り分業でなく、ひとつの組織の中で連携を深めながら機能していくような仕組みがGECなんだ。
井本ぼくの身近でも連携や交流が多いです。コミュニケーションの機会が多いので、部署が違うことを忘れそうです。
岩満開発本部はマーケティング事業本部と、ものづくり推進部は生産本部と、情報だけでなく人材の行き来を含めて交流が頻繁だよね。実際、強く関連しなければいけない部署です。GECは、製品を開発する役割に加えて、お客さまに一番近いマーケティング部門や品質保証部門、製品に一番近い製造部門とをつなげる役割も担っているよ。
井本開発本部の立ち位置として、特にスピードが求められるところだと思います。市場での声に対しても、対策内容や改善案など、いかにスピード感を持てるかが勝負だと思っているのですが、いかがですか?
岩満そうだね。だからこそ、マーケティングとの連携が重要になる。お客さまからのリアルな声は営業サイドに入るからね。でも技術抜きには達成できないから、お客さまの声を共有し一緒に考えることが大切になる。もともと風通しのいい会社なんだけど、ハブとしてのGECが有効に働いていて、組織が完全な縦割り分業でなく、横断的に機能しているよね。一緒にやるからスピードは速いよ。

井本コベルコ建機ならではの強みや差別化はどうでしょうか?
岩満差別化とよく言うけれど、どんなに技術的に素晴らしくても、こちらの自己満足を押しつけるようではお客さまは喜んでくれない。だから、お客さまに喜んでもらえるものを際立たせることが大切なんだよね。
井本低燃費や低騒音の技術においては業界内でも上位にいるかと思いますが、どうやってお客さまに喜ばれる機能を見つけるのですか?
岩満さっきの話と被るけど、技術面から考えると出てこない。お客さまの立場になって考えることが大切なんだよ。
例えば燃費。建設機械は買うときも高いけど、ランニングコストがかなり掛かる。主には燃料代だよね。それをコベルコ建機は20%下げたわけです。お客さまは「機械っていうのはこんなもんだ」と思っているから、「燃費を下げて」とはわざわざ言わない。でもそこに気づいて、なおかつ圧倒的な効果を出すことでインパクトを与える。すると市場を優位にひっぱれるんだ。低燃費はコベルコ建機が先駆けたから、今でも他社より一歩も二歩もリードしているよね。
井本潜在的なニーズをつかむことが大切ですね。そこらあたりも、営業との連携が重要ですね。
岩満そう。中にいたら分からないこともたくさんあるからね。マーケティング部門と情報を共有しながら開発していくんだ。「iNDr」もそうだよ。市街地の工事では、役所に騒音の苦情が来たら工事を止めて対策して、許可が出ないと再開できない。工事施工者もあらかじめ対策や工夫はしてるけど、そもそも機械が静かだったら?
井本うれしいですね!喜ばれます。連携が高い成果を生んでるんですね。

インパクトある開発で
市場をリード

井本では、クレーンの強みはどうですか?
岩満コベルコ建機のクレーンはブランド力がある。国内では50%近くのシェアを持ってる。ということは「コベルコなら安心だ」という当然の期待があるから、それを裏切らない信頼性がまず重要。ブランド力ってすぐには確立できないわけで、それを持ってるというのはすごい武器だよね。だからこそ、それに甘えるのではなく、それを礎にもっといいものをつくっていくよ。
井本いま、自動化や安全性を高める機能開発も進んでいますが、ほかにコベルコ建機としては、どのような分野を伸ばしていきたいと考えておられますか?
岩満ショベルやクレーンの操作は見ている以上に難しいよね。いま活躍している熟練のオペレーターが順次退職していって、引き継ぐ若い人がいない。だから、まずは熟練者と同じように操作できる機械をつくらないとね。AIやIoTは、開発が進んでいるよ。身体の動きと連動するような遠隔操作も近い将来実現できるようになると思う。
それと、コベルコ建機では、掘削機であるショベルをベースに建物の解体機や林業機械をつくっているけど、そういう多機能・他機能を搭載させるカスタマイズは、ウチの得意分野だ。クレーンも吊り上げや移動だけでなく他の機能も持たせて、ベースマシンがあれば別の用途にも使えるというようにしたいね。
井本ショベルとクレーンが一緒になったことで、今後、いろいろ世界が広がりそうです。
岩満ショベルとクレーンが合併して2年。要素は共通するところも多いし、互いに補完し合って、これからますます強力なシナジー効果が出るようになると思うよ。

新発想やチャレンジがより活発に

井本モノを開発・設計するということを、僕は入社して初めてやったのですが、社員教育や業務の仕組みがしっかり整備されていて、安心できました。
岩満昔は、現場で見て学べというのがあった。でも今の時代は、高いレベルとスピードが求められていて、そういうのは合理的じゃない。すでに分かっていることは分かりやすく見せていって、発想するためにもっと時間を使おうという考え方になっている。開発本部でも開発工程を標準化して若手や知識の浅い人でも開発しやすいしくみをつくったり、目的地の共有だけじゃなくて、開発フェーズにマイルストーンを置いて途中経過を共有したりして、開発のスピードを上げているよ。
井本そうですね。手戻りが減るので時間のロスが少ないですし、実際、新しいことやチャレンジにエネルギーを注げています。
岩満やりたいことをどんどんやらせてくれるでしょ?
井本はい。「やりたい」と言えば、やらせてもらえます。自分を表現さえすれば、やりたいことができる会社ですよね。
岩満だからどんどんチャレンジしてほしい。何度も言ったけど、開発は、現場やユーザーのことが分からないといい仕事はできないんだよね。体感して技術を創造してくことが大事。だからどんどん外に出て行ってほしい。海外もそうだよ。機械が働く場所や、動かす人を知らないと、開発はできないから、海外もどんどん行ってほしいし、行かせてると思う。海外の展示会にも毎年数人行ってるよね。
井本開発の中でも、毎日、常にだれかが海外に行っています。今日も、人が居ない席がありますよ(笑)。
岩満部品の調達もあるし、機械の稼働現場を知ることも必要だし、動かす「人」も知らないとダメなんだよね。そして、世界にはまだまだ残ってる市場がある。中東、アフリカ、ロシアなど、これからのターゲットだから、開発の人も現地に行って体感してこないとね。お客さまやサプライヤーとも話をして、連携を密にすることが重要なんだ。
井本寒冷地の知見が少ないから、ぜひやりたいです!
岩満意思表明しておくといいよ。英語は話せるの?
井本少しです。でも、「英語で朝会」など教育制度がいろいろあるので、入社してから英語力が伸びました。ぼくはショベルなのですが、「朝会」ではクレーンの人とも話ができるので新鮮ですし、刺激になります。
岩満開発部門は新しい技術開発を目指して、大学と共同研究にも力を入れてる。新しい素材や技術などを積極的に活用して、実用化させるつもりだ。会社も新しいチャレンジをどんどん進めているし、キミたちもどんどんチャレンジしてほしいね。
井本チャレンジさせてもらえる環境があるので、ぼくらも頑張ります!

クロストーク一覧

「仕事」を知る