生産技術

Smart & Clean!

コベルコ建機グループ全体の開発・生産を統括する
グローバルエンジニアリングセンター(GEC)の発足とともに、2012年5月に誕生した五日市工場。
世界最高水準の生産性と環境保全を実現する五日市工場が掲げるコンセプトが「Smart & Clean!」です。

工場内の床や柱は白色塗装で統一され、自然光を生かした明るい室内となっており、場内の各所には粉じん量を監視するクリーンメーターを設置して、作業者全員がクリーンな環境づくりを意識しています。溶接・塗装・組立を1本の搬送機でつないだ直結ラインや、AGV(無人搬送車)の導入など、高い安全性、生産性を誇ると同時に、CO2排出量の削減にも貢献しています。
安全で快適な、誰もが働きたくなる職場をつくり、人に誇れるものづくりをする。現場で働く作業者全員がそう思えるよう、このコンセプトにはそういう意味が込められています。

からくり改善

自動車や家電をはじめとする製造業の現場では、
品質不良の削減や作業効率アップのため、常に改善への意識が求められています。
その手法のひとつが、テコの原理や重力、ゼンマイといった“からくり”の仕組みを利用して、
大掛かりな装置を使わずとも現場の創意工夫で問題を解決する「からくり改善」です。

コベルコ建機では、現場で生まれるアイデアをもとにした、ものづくりの原点とも言えるこの改善活動に積極的に取り組んでおり、五日市工場をはじめとする国内各拠点や、中国、タイといった海外拠点との技術交流会を行っています。
また、製造業約80社が参加してからくり改善の作品を競い合う「からくり改善®くふう展」にも毎年多くの作品を出品しており、2016年度は手押し台車コンテストで金賞を受賞するなど、コベルコ建機のものづくりを支える取り組みとなっています。

環境対応型塗料

コベルコ建機では、従来塗料に比べて有害性の低い環境型塗料(特化則対応塗料)の導入を進めており、
作業者や環境への負荷軽減に取り組んでいます。
標準色であるブルーグリーンとグレイッシュブラックについては、
国内3カ所の生産拠点(五日市・大久保・大垣)で使用するすべての塗料の切り替えが完了しています。

働く人や社会に調和し、
ものづくりの未来を育む

環境対応型塗料の導入にあたっては、塗料メーカと連携しながら性能試験を重ね、塗膜性能や見栄え、作業性の検証を繰り返し実施。導入後も必要に応じて改良を続けることで、従来の塗料と同様に高い品質を維持しています。
品質のハードルを下げることなく、有害成分の低い塗料へと置き換えることで、周辺環境への負荷低減や作業者の安全性確保を実現することができました。人や社会に優しい環境対応型塗料で安全かつ快適な環境を整備し、未来へとつながる持続的なものづくりを目指しています。

技能認定制度/
ものづくり技能大会

世界統一品質「MADE BY KOBELCO」の実現に向け、
コベルコ建機のものづくりの考え方、価値観、行動習慣を作業者一人ひとりが共有し、ブランド力向上を目指す取り組みとして、
独自の社内資格制度「コベルコ建機技能認定制度」が2013年からスタートしました。

世界全拠点で統一された基準のもと、ショベル生産に重要な組立・製缶・加工・塗装の4分野を対象に、技能レベルを段階に分けて設定。幅広くグローバル展開するコベルコ建機の技術力を底上げする人材育成システムによって、作業者のスキルアップをサポートし、より高いレベルのものづくり力を実現しています。
毎年秋には世界各拠点で予選会を勝ち抜いた精鋭たちが技を競い合う「ものづくり技能大会」を開催。日頃の成果を発揮するとともに、グローバルな技術交流の場として、毎年各生産拠点から多くの参加者が集まります。

スマートファクトリー

これまでに培ってきたコベルコ建機のものづくり力をさらに発展させるため、
製造現場のスマートファクトリー化へ向けた取り組みを進めています。

工場内にあるセンサや設備などをIoT化して、品質管理や工程管理、作業手順など、これまで個々の作業者で管理していたあらゆるデータを集約。データベース化した中から優先順位の高い改善テーマを抽出し、最適な作業方案を導き出し、作業標準として全生産拠点の作業者へ展開することで飛躍的な効率化につながり、より高い品質、生産性の実現が可能となります。それに伴い、将来的にはロボットによる工程内作業の自動化も計画しており、作業者の負担軽減やより高い安全性を考慮した仕組みづくりの構築を目指しています。
スマートファクトリーに向けての取り組みはまだスタートしたばかりですが、コベルコ建機が持つものづくり力と最先端のテクノロジーを組み合わせた、次世代型工場を見据えて進化を続けています。

スマートファクトリー イメージ

「強み」を知る