環境技術

「知と技」の結集が生み出す
低燃費性能

今やコベルコ建機の代名詞とも言える低燃費へのこだわり。
世界トップクラスを誇る圧倒的な燃費性能を支えているのは、私たちが誇る技術力に他なりません。
ユーザー現場主義に基づいた想いを低燃費という形にし、独自の先進価値を提供します。

「低燃費のコベルコ」を確立させた
SKシリーズ・8型

顧客利益につながる燃料費低減をテーマに、従来機と比べて燃費20%低減という群を抜く数字を目標に掲げ、開発がスタートしたSKシリーズ・8型。ショベル全体の圧力損失を徹底的に減らす独自の油圧システムの開発をはじめ、業界初となるAIS(オートアイドルストップ)機能の油圧ショベル搭載など、あらゆる角度から見直しを図り、作業・操作性能を維持したまま20%の燃費削減を実現しました。
様々な壁を乗り越えて2006年に誕生したSKシリーズ・8型は、これまでの常識を覆す圧倒的な燃費性能で「低燃費のコベルコ」として世界に認められています。

時代の先を見据えた飽くなき挑戦

SKシリーズ・8型の誕生により広まった、コベルコ建機を象徴する低燃費技術は、その後も着実に進化を重ねています。8型機の登場から7年後の2013年にSKシリーズ・9型を発表。従来機に比べ最大で18%の燃費低減を達成し、「低燃費のコベルコ」の名を不動のものにしました。さらに、2016年に発表された同シリーズ10型機では、摩擦抵抗を抑えた配管設計やバルブ抵抗の最小化などにより、これまでの8型、9型機をより上回る低燃費性を実現。同時に、作業性・耐久性を兼ね備えた次世代機として、新たな価値を生み出しています。
歴史的モデルとなった8型機の誕生から長きに渡り進化を続け、業界のトップランナーとして走り続けるコベルコ建機の低燃費技術。知と技の結集により培われたこの技術の更なる発展を目指して、私たちの飽くなき挑戦は続きます。

世界初のハイブリッドショベル

社会環境の変化により、今や私たちの暮らしの中で当たり前となったハイブリッド技術。
コベルコ建機では、建設機械メーカー各社に先駆け、世界初となるハイブリッドショベルの開発に成功しました。

ゼロからスタートした
世界初への挑戦

燃料の高騰や環境への意識が年々高まっていく社会的変化を背景に、1999年秋にNEDO※からの受託研究事業として神戸製鋼所と共同で基礎技術開発がスタートしました。
世の中にない全く新しい技術開発は、理論も技術もすべてゼロから始まり、開発開始から7年の歳月を経て、世界初のハイブリッドショベルを開発。2006年春に燃費低減率40%を達成した第1号のハイブリッドショベルモニター機を発表し、2009年秋には業界トップクラスの燃費性能を誇る「SK80H」の量産、販売を開始しました。
これまでにない圧倒的な低燃費を実現した製品開発が評価され、「SK80H」は平成22年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞。その後、2012年に標準機20tクラスとなる「SK200H-9」を発表し、2016年には業界初のリチウムイオンバッテリを採用した新型機「SK200H-10」が完成しました。ハイブリッド機の研究、開発は留まることなく発展を続け、さらなる燃費低減を実現しています。

※国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

圧倒的な低燃費を実現する
高効率ハイブリッドシステム

旋回制動時、熱エネルギーとしてロスとなっていた運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、キャパシタに蓄電します。蓄電された電気エネルギーをエンジン出力の動力アシストに利用する、高効率ハイブリッドシステムです。パワーアシスト効果により、エンジンが担う負荷を軽減します。また、発電電動機はキャパシタの充電率を補う場合に発電機として機能します。
最新モデルの「SK200H-10」では、蓄電池であるキャパシタをリチウムイオンバッテリに変更し、エンジンの継続的なアシストを実現。また、旋回電油モータを旋回電動モータにすることで、旋回モータの回生エネルギーを電力としてバッテリに充電することが可能となり、低燃費、作業量アップを高次元で両立します。

暮らしに寄り添う低騒音技術

住宅がひしめく中でも日々稼働を続ける建設現場は、私たち暮らしにも深く関わっています。
生活を豊かにする建設機械が、人々の妨げになってはならない。
そこで、私たちが導き出したひとつの答えが低騒音です。

低騒音&防じん性能を併せ持つ、独自の冷却システム「iNDr」

2001年春、騒音規制が世界的に広がりをみせる中、コベルコ建機では騒音値-10dBというあえて高い目標を設定し、油圧ショベルの低騒音化に向けた開発がスタート。音響研究で定評がある、神戸総合技術研究所(神戸製鋼)の専門家と開発担当者たちが試行錯誤を重ね、6年間の挑戦の末に低騒音と防じん性能が組み合わさったコベルコ建機独自の冷却システム「iNDr(Integrated Noise&Dust Reduction Cooling System)」が誕生しました。
この画期的なシステムを搭載した初めてのモデルが、2007年に発表された後方超小旋回ショベル「SK225SR」。このマシンの最大の特徴は圧倒的な低騒音で、国土交通省が定める超低騒音型建設機械の基準値に比べて5dB下回り、機体左側面においては従来機より-10dBという開発当初に掲げた目標を見事実現しました。

“風の道”という発想から生まれた新技術

騒音の主な原因はエンジンと冷却ファンですが、音を小さくするために閉じ込めてしまうとオーバーヒートを起こしてしまいます。そこで生まれた新たな発想が、吸気口からエンジンルーム、排気口までを大きなダクトに見立て、空気の通り道をつくる“風の道”方式でした。空気が流れることでオーバーヒートを防ぎ、吸音材で覆われたダクト内部の壁に音をぶつけて、騒音を低減。外気を吸入する吸気口には、マスクの役割となるiNDrフィルタを備え、高い防じん性能も実現しています。
作業者や建設現場だけではなく、地域や社会に根ざした建設機械をつくることで、私たちは人と環境にやさしい循環型社会の創出を目指しています。

循環型社会を創る用途別専用機

1900年代後半、社会は消費型から循環型へと変貌を遂げる中、コベルコ建機では次世代を見据えた環境への取り組みを開始。
建設・金属リサイクルや林業といった、様々な用途に合わせた専用機の開発を進め、
地球環境に配慮したクリーンな製品をつくり続けています。

業界をリードする建物解体機のパイオニア

1977年、時代が消費から資源循環へと移りゆく中、コベルコ建機では業界に先駆けて解体アタッチメントニブラーを開発。今や建物解体技術の基本となっている静破砕工法のためのこのニブラーは、“建設リサイクルのコベルコ”として世に知られるきっかけとなりました。以降、日本初の自動車解体機(1979年)やギネスブック認定の世界一の高さを誇るビル解体機「SK3500D」(2005年)など、経験によって培われた技術力と豊富な実績は、建設・金属・産廃リサイクル、林業といったあらゆる分野へと広がっています。
2011年には、より安全、使いやすさを追求した次世代アタッチメント「NEXT(ネクスト)」を発表。解体機の土台を築いた業界の先駆者として、更なる高みを目指しています。

林業機械からつながる環境への取り組み

地球温暖化防止や森林整備などの環境貢献のため、コベルコ建機では環境省が推進するカーボン・オフセット制度を利用した独自のプログラムを用意しています。
コベルコ建機製の林業機械に森林吸収クレジットを付加することにより、お客様の機械稼働により生じる温室効果ガス(CO2など)の一部をカーボン・オフセット※します。このプログラムによって得られる資金は、日本国内の森林整備事業に役立てられています。 2013年のプログラムスタート以来、着実に実績を重ね、2015年に環境省、経済産業省、農林水産省が後援する「第5回カーボン・オフセット大賞」の農林水産大臣賞を受賞しました。

※カーボン・オフセットとは、自分の温室効果ガス排出量のうち、どうしても削減できない量の全部又は一部を他の場所での排出削減・吸収量でオフセット(埋め合わせ)することを言います。

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