特集 環境と安全を守るコベルコのクレーン

環境と安全を守るコベルコのクレーン

業界初となる省エネ機能を多数搭載したマスターテックGシリーズのコンセプトを引き継ぎ、最新の排出ガス2014年規制適合エンジンを搭載したG-2シリーズが誕生。コベルコ独自開発の省エネシステム「Gモード」もさらに進化し、環境性能の追求を続けています。

KOBELCO

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1Gエンジン
燃費改善効果10%を実現
エンジン回転数をコントロールし、燃費効率の良い領域でエンジンを運転する機能。通常、エンジン回転数を下げればウインチ速度も下がりますが、GエンジンをONにすると、ポンプ制御により主補ウインチの最高速度をキープしたままつり作業が行えます。一般的なクレーン作業では約10%の燃費改善効果がもたらされます。
2新クリーン ディーゼルシステム
NOx排出量を大幅低減
ディーゼルエンジンの排気に含まれる有害物質を抑える新システムをエンジンに搭載しました。排出ガスに尿素水を噴射し有害なNOxを無害な水と窒素に分解する尿素SCRシステムと、PM除去に最適なDPFとの併用により、排出されるガスを大幅にクリーン化。排出ガス2014年規制をクリアしています。
3IS(アイドルストップ)
無駄なエネルギーを使わない

停車時のエンジンストップを促す「オートアイドルストップ(AIS)」を2011年より業界で初めて採用。次のトレーラーが来るまでの待ち時間などに、自動的にエンジンがストップ。建て方、港湾荷役など各作業で省エネ効果を発揮します。また、新たにG-2シリーズより「マニュアルアイドルストップ(MIS)」を設定。オペレーターの意思でアイドルストップさせることが可能になりました。エンジン停止のためには、AIS時14項目/MIS時9項目の条件があり、安全性に配慮しています。

4Gウインチ
省エネ性能とスピードを両立
無負荷または負荷が軽い場合、高速モードの使用により、エンジンの回転数を上げなくても最高ラインスピードでの巻き上げが可能。新たにG-2シリーズより、旋回および起伏中でも作動するよう機能アップしました。安全機能として、4項目の条件を満たさなければ作動しないよう設計してあります。

INTERVIEW 開発者インタビュー

クローラクレーンの
新基準を
生み出す

クローラクレーンの新基準を生み出す

クローラクレーンの新基準を生み出す

クローラクレーン マスターテック
G-2シリーズの開発
グローバルエンジニアリングセンター
開発本部 要素開発部 電機制御系開発グループ

山田 純平

コベルコが生み出した革新的クローラクレーン、マスターテックGシリーズの後継機として、フルモデルチェンジしたG-2シリーズが登場した。排出ガス2014年規制にいち早く対応し、省エネ機能「Gモード」もユーザーニーズに合わせて改良。世界トップクラスの高い環境技術がふんだんに盛り込まれた。

排出ガス規制は、それまでの5分の1という厳しいNOx低減が求められたため、NOxを尿素で窒素と水に分解する尿素SCRシステムを使った新開発エンジンを搭載。新エンジンは、バスやトラック用に開発されたもので、建設機械は初めてだった。電機制御を担当した山田は言う。「クレーン独特の動きに加え、センサーや装置が増えて複雑になるので、機械とエンジンとのマッチングが一番の課題でした」。エンジンメーカーとの調整はいつも以上に時間をかけ、丁寧なコミュニケーションと細かな修正を重ねたという。

ユーザーから高い評価を得る省エネ性能「Gモード」も、さらにブラッシュアップした。業界初のオートアイドルストップ(AIS)は、待機中にエンジンが自動停止する機能だが、新たに、オペレーターが停止のタイミングを手動でコントロールできるようになった。「手動ですが、いつでも切れるわけではありません。安全のため9項目の条件を満たさなければ作動しない仕組みです」と安全機能を解説。AIS時には14項目が条件だ。また、エンジンを不要に高回転させなくても、高速でウインチを巻き上げる「Gウインチ」も性能が向上。ブーム旋回中や起伏時でも、同時に動かせるようになった。「安全性を確保しながら多機能にするのは、思った以上に難しかった。1年を予定していたシステム開発は、検証を繰り返し、1年半かかってしまいました」と山田が苦笑いをする。これらの環境・安全性能に加え輸送性もアップさせ、ユーザーの使い勝手を高めたG-2シリーズっは、クローラクレーンの新基準となって業界をリードしていくだろう。

TOPICS クローラクレーン SL16000J / SL16000J-H

TOPICS 国産最大級の超大型クローラクレーン

TOPICS
クローラクレーン
SL16000J / SL16000J-H

国産最大級の超大型
クローラクレーン

2016年5月、超大型クローラクレーン「SL16000J(最大つり上げ能力1,000t)/SL16000J-H(最大つり上げ能力1,250t)」を国内向けに販売を開始しました。世界で超大型クローラクレーンの需要が高まる中、事業基盤確立の取り組みのひとつとして、日本国内の需要に合わせて誕生した国産最大級のクローラクレーンです。

従来機SL13000の後継機として、クレーン能力の大幅な向上に加え、コベルコならではの環境性能を発揮。排出ガス2011年基準に適合し、低騒音型建設機械の指定を取得しています。また、合理的なユニット構成、軽量設計ならびに機器配置の見直しによって、効率の良いパッケージ化と組立分解のしやすさを実現、輸送性能を高めています。